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当主の聞き書き(6) [当主の聞き書き]

(行事の思い出)

質)正月の思い出は?

  答)三が日は「お家の間」で一人ずつお膳を並べた。北向きに男席、東向きに女席、家族全員が正装で並んだ。出入りの人たちが来て、上がり框の広敷に上がってあいさつして行った。

    面白いのは当主が男席の一番末席の広敷寄りに座っていたことだ。挨拶を受けるのに便利な席を取っていたのだろう。

    お膳は男は高脚付きのお膳で、食器全部に定紋がついていた。女は低い脚付きのお膳で、母方、祖母方などいろいろ紋が違っていた。

    女連中が着飾って並んでいたのはそれはそれで華やかだった思い出だ。

    正月のにぎわいも赤松の時代までで、松坪の時代は賑やかなことが出来ない時代になってきた。

   質)正月のかざりは?

答)床の間の正面に敦実親王、右に大黒、左に恵比寿の三幅対の掛け軸を掛け、前に恵比寿、大黒の厨子、鏡餅が飾られた。これを飾るのは当主の役割だった。

質)やっぱり敦実親王は大事に祀られていたのですね。

答)大事にしていた。木像の方は仏壇の横の部屋で、花頭窓の厨子に入れて大切に守られてきたが、主屋の復元修理以後、今は押し入れの片隅に置かれている。

(続く)